経営者の人間力が組織を動かす
企業を成長させる大前提とは
成果を出す企業に共通するのは、社員が高いモチベーションをもって働いていることです。どれだけ立派な戦略を描いても、実際に行動するのは現場の社員です。経営者や上司が「人を活かす力=人間力」を備えていなければ、組織は力を発揮できません。

部下が見えなくなる上司たち
多くの上司は「成果を出す」ことに目を向けすぎるあまり、肝心の部下の姿が見えなくなりがちです。数字の達成だけを追う指示や指摘は、部下を駒のように扱ってしまい、やる気を削ぐ結果になります。
特に注意したいのが、何気ない一言です。
「そんなこともできないのか」「早くしろ」――上司に悪気がなくても、その言葉が部下の心に残り、行動への意欲を失わせることがあります。
必要なのは人間観察力
上司に求められるのは、部下を知ることです。ここで言う「知る」とは、単に性格を把握することではありません。どのようなときに頑張れるのか、何に不安を感じるのか、どう伝えると力を発揮しやすいのかを見極める力――つまり人間観察力です。
部下を理解しようとせずに成果だけを求めれば、恐怖や不信感が生まれます。一方で、人間観察力を磨けば、相手の強みを引き出し、組織の力を何倍にも高められます。
観察の第一歩は「自分を知る」こと
ただし、人を観察する前に必要なのは、自分自身を知ることです。自分の感情の癖や価値観、イライラするポイントを理解していないと、部下への言動が無自覚にぶれてしまいます。
部下を理解しようとするあまり、気づかぬうちに「こうあるべき」と相手を操作しようとするケースもあります。観察は相手を変えるためではなく、相手が持つ可能性を活かすために行うものです。
マネジメントとは人生づくり
会社の未来を思い、部下の成長を願い、自分自身の人生を築いていく――その三つが重なるところに本当のマネジメントがあります。
人間力を高めるとは、単なるリーダーシップスキルではなく、自分と他者の人生を豊かにする経営そのものなのです。
経営者がまず自分を知り、社員を理解し、良い言葉と態度で関わること。それが組織のモチベーションを引き出し、成果へとつながります。戦略の前に「人を活かす力」を磨くことが、持続的な成長の第一歩です。


